はじめまして。テンペラ画家の匂坂祐子です。
普段は、ルネサンス期のテンペラ古典技法を用いて、
「無条件の愛」と祈りの光をテーマに作品を制作しています。
作品は、モナコ王室やローマ法王庁に所蔵され、
これまで24カ国以上で展示の機会をいただいてきました。
幼い頃、ラファエロの聖母子像に出会い、
その静かな光と優しいまなざしに心を打たれ、
「いつかこんな絵を描きたい」と思ったことが、
今の道の原点です。
テンペラという技法は、時間と手間のかかる、とても繊細な表現ですが、
何層にも重ねられた色の奥に、光が宿るような感覚があります。
私はその光を通して、
目に見えないもの、言葉にならない想い、
そして人の内側にあるやさしさや祈りを描いています。
近年は、日本の神話や自然、龍や女神といったテーマも取り入れながら、
東洋と西洋、過去と現在をつなぐような作品を制作しています。
またこのエッセイでは、
制作の背景や作品に込めた想いに加えて、
海外での展示経験や、テンペラという技法についての実践的なこと、
そして作家として歩んできた中での気づきなども、
少しずつお伝えしていけたらと思っています。
絵を描くことは、
私にとって祈りであり、対話であり、
自分自身と向き合う時間でもあります。
その静かな時間の中で生まれた光が、
誰かの心にもそっと届いてくれたら嬉しいです。
どうぞこれから、よろしくお願いいたします。
匂坂祐子