「テンペラ画で古典技法を学ぼう!」第1回講座が始まりました!
子どもから大人まで参加いただき、賑やかに初回講座を終えることができました。
お忙しい中、ご参加いただきありがとうございました。
講座の始めに、ワンダーラビットクラブ代表、姉の匂坂桂子による英語絵本の読み聞かせを行いました。
タイトルは”Snail.where are you!”6月にちなんで、カタツムリのでてくるお話です。
仕掛け絵本になっていて、カタツムリの貝があちこちに隠れています。
英語絵本の後は、テンペラ画の歴史や名画の説明、油絵具の前は卵を使って絵の具を作っていたとお話すると子ども達は興味深々に聞いてくれました。
テンペラ画のテキストを作成しました!
いよいよ制作タイムです。子ども達は、板に石膏を塗り制作済の支持体に、絵本にでてくるカタツムリや、事前に用意したサンプルのピーターラビットやプリンセス、自分で用意したモチーフのパンダなどを描きました。
顔料に卵メディウムと水を混ぜて自分で絵の具を作り、描いていきます。
子ども達はすぐに絵の具の作り方を覚え、自分で好きな鮮やかな色を作りはじめました。
卵メディウムは、卵黄にお酢と防腐剤を混ぜて作っていきます。
カタツムリのサンプルの形を転写したり、好きな形を描いたり、自由に色を塗って描いていきます。
自由に色を塗った後は、金箔を卵黄メディウムを使って貼り付けてで仕上げていきます。
祭壇画にある技法は、赤ボーロと膠をつかって金箔を貼っていますが、今回はお手軽に楽しめるよう卵メディウムを使って金箔を貼っていきます。
独創的な形と自由は発想で、のびのび描いています!
かわいいカタツムリが誕生しました!
側面も綺麗にぬって
サインも入っています!
親子でご参加くださり、お母さんは天使、お嬢ちゃんたちは、ピーターラビットにプリンセスを描いています。
手にシッカロールをつけて、金箔・銀箔を貼っていきます。
個性的な作品がたくさん誕生しました!
大人たちは、今回5回コースを選択する方が多く、皆さま支持体づくりからチャレンジです。
テンペラ画の歴史や支持体の作り方のレクチャーの後、いよいよ板作りです。
ルネサンスの頃は、支持体や額職人もいらっしゃったと思いますが、現在は自分で板から制作しなければならないので、テンペラ画は絵を描くまでがとても大変です。
キャンパスは、画材屋さんで購入後すぐに描くことができるのですが、板に描くテンペラ画は、支持体制作に数日かかります。
テンペラ絵画が油彩に移行したのは、この支持体づくりの困難さも一つの理由だと思います。
板作りは大変な作業ですが、、板に絵の具が吸い付く感覚、独特のなめらかな画質、ベルベットのような絵の具の艶、何百年経っても色あせないテンペラ絵の具の魅力は、板作りの困難さをもってしても価値ある尊い技法だと感じています。
卵黄テンペラ絵の具は、絵の具がすぐに乾くので、すぐに塗り重ねることができるのも利点です。
今回講座を開催したのは、古い技法の良さ、なんでも簡単に物がそろう現代の中で、板に素朴な卵と自然の顔料だけで描いていた昔の人の知恵を再現し、自由に絵を描く楽しさを多くの方に知ってもらいたいと思ったのがきっかけです。
今回は、事前に前膠と本膠を2回塗って乾かしたF10号の板をご用意しました。
兎膠とボローニャ石膏を同分量湯煎にかけて作った石膏を板に塗っていきます。
通常は、9層乾かしながら塗り重ねていくのですが、講座では乾き見ながら調整していきます。
次回は、乾いた石膏を研磨していきます。
石膏を塗り乾かしている合間の時間に、今回は制作済の小品の支持体をご用意し、絵の具の色付け体験を初日からしていただきました。
皆様、考えてきたモチーフをそれぞれ選んだ板に描いていきます。
抽象画から、蝶々や百合、金魚、など様々な作品が色鮮やかに描きこまれていきます。
卵を使った絵の具を、テンペラ画が初めての方もとても手慣れて制作されていました。
どんな作品が完成するかとても楽しみです。
世代の違う子どもと大人が合同の講座は初めてでしたが、子ども達は大人の描いている絵を見に来たり、自分の描いた絵をみせにきたり、楽しく交流することができとてもよかったと思いました。
全5回コースは、F10号の作品と小品をそれぞれ5回で完成させていきます。
各1回コースは、毎回小品を1枚完成させます。
完成した作品は、11月2.3日にロゼシアターにて展示を行います。
展示の期間中に、参加希望者全員で大作のライブペィンティングにも挑戦します。
子どもから大人までみんなで一緒にひとつの大きな作品を作っていきます。
こちらも完成が楽しみです。
テンペラ画のワークショップは、毎月第三土曜に13:30分より開催しております。
ご興味のある方は、下記よりお問い合わせくださいませ。
当日ご都合のつかない場合は、別日に振替講座もおこなっておりますので
ご参加ご希望の方はご連絡ください。
ご参加お待ちしております!
富士ニュースに掲載されました!